経営学部 中原ゼミの学生とダイヤモンド社が企業の課題解決につながるツールを共同開発
経営学部
2024/04/02
立教生のキャンパスライフ
OVERVIEW
経営学部の中原淳ゼミナールと株式会社ダイヤモンド社、株式会社ダイヤモンド?ヒューマンリソースが、新入社員の定着?成長のための「OJT※1 活性化ワークショップ」4商品を共同開発し、発売しました。人材開発と組織開発を専門的に学ぶ学生が約1年間に及ぶ産学連携プロジェクトに挑戦。商品化に至る経緯やそこで得た経験について、ゼミ長の川口龍之介さん、副ゼミ長の相内(あいない)美咲さんと藏並(くらなみ)結羽さんに語ってもらいました。
※1 OJT:On the Job Training(オンザジョブトレーニング)の略称。職場の上司や先輩が新入社員や部下に対して、業務に必要な知識や技術を実践しながら教える教育方法。
OJT活性化をテーマとする商品を開発したきっかけ
学生が企画?アイデアを提案して終わるのではなく、学生自身の手で商品化し、実際に販売?提供することを目標にスタートした
川口 中原ゼミでは、企業向けワークショップの開催など産学連携プロジェクトに取り組んでおり、私たちの1学年上の先輩から商品開発が始まりました。ゼミ生でテーマを決めることができ、自分たちの代は「新入社員の離職率の高さ」を解決するアプローチとして、OJT活性化に着目しました。
相内 企業の社員や立教大学卒業生へのヒアリングを通して、「Z世代の学生ならではの視点」で課題を見いだします。また、大学生へのアンケート調査では「愛がある職場の方が働きやすい」という意見が多かったことから新入社員は職場に、OJT指導員は新入社員に愛情を抱けるようなコンテンツづくりを目指しました。
藏並 一般的なワークショップには堅苦しいものが多く見受けられたので、ワクワク感のある企画にこだわりました。商品ロゴやキャラクターも自分たちで考え、キャッチーな商品に仕上がったと思います。
相内 企業の社員や立教大学卒業生へのヒアリングを通して、「Z世代の学生ならではの視点」で課題を見いだします。また、大学生へのアンケート調査では「愛がある職場の方が働きやすい」という意見が多かったことから新入社員は職場に、OJT指導員は新入社員に愛情を抱けるようなコンテンツづくりを目指しました。
藏並 一般的なワークショップには堅苦しいものが多く見受けられたので、ワクワク感のある企画にこだわりました。商品ロゴやキャラクターも自分たちで考え、キャッチーな商品に仕上がったと思います。
商品化するまでのハードルと印象に残った出来事
川口 ゼミの5期生19人が4班に分かれ、最終的に4つの商品を開発しました。ダイヤモンド社は進行役、ダイヤモンド?ヒューマンリソースはメンター(助言?相談役)を担ってくださいましたが、基本的に学生の手でつくり上げました。
相内 本ゼミとサブゼミを合わせて週3回のゼミ活動、各班のミーティングも毎日のようにあったので忙しかったです。
川口 私の班は、新入社員がフィードバックの重要性について理解を深める「もぐタン~もぐらと学ぶ!フィードバック探索行動~」を開発しました。受講者の視点で伝わりやすさを重視したため、言葉の選び方で議論する機会が多く、泊まり込みで作業したこともあり、忘れられません。
相内 私の班が手掛けたのは、OJT指導員向けの「勇者の休日~日々戦う者たちへ究極のリフレッシュを~」です。ヒアリングの中で、指導員側がお互いの悩みやノウハウを伝え合えていない実情を知ったことから、それらを共有できるツールに仕上げました。OJT指導という行為を、よりポジティブに捉えられる内容になっています。
藏並 実は私の班は、商品化の合否を決める3月の最終発表会でGOサインが出ませんでした。企業の人事担当者から「楽しいだけのワークショップになっている」とシビアな指摘を受け、一から作り直したのが「言いたいことがイエルンダー」です。OJT指導員と新入社員が本音を言い合えるようになるためのツールで、商品化が決まった7月まで試行錯誤してようやく完成にたどり着きました。
相内 本ゼミとサブゼミを合わせて週3回のゼミ活動、各班のミーティングも毎日のようにあったので忙しかったです。
川口 私の班は、新入社員がフィードバックの重要性について理解を深める「もぐタン~もぐらと学ぶ!フィードバック探索行動~」を開発しました。受講者の視点で伝わりやすさを重視したため、言葉の選び方で議論する機会が多く、泊まり込みで作業したこともあり、忘れられません。
相内 私の班が手掛けたのは、OJT指導員向けの「勇者の休日~日々戦う者たちへ究極のリフレッシュを~」です。ヒアリングの中で、指導員側がお互いの悩みやノウハウを伝え合えていない実情を知ったことから、それらを共有できるツールに仕上げました。OJT指導という行為を、よりポジティブに捉えられる内容になっています。
藏並 実は私の班は、商品化の合否を決める3月の最終発表会でGOサインが出ませんでした。企業の人事担当者から「楽しいだけのワークショップになっている」とシビアな指摘を受け、一から作り直したのが「言いたいことがイエルンダー」です。OJT指導員と新入社員が本音を言い合えるようになるためのツールで、商品化が決まった7月まで試行錯誤してようやく完成にたどり着きました。
「OJT活性化ワークショップ」の4商品
(左上)成長に重要なOJT指導員からのフィードバック。新入社員がロールプレイングを通し、「自ら取りにいける」ようになることを目指す
(右上)新人指導の中で生じる課題や成功体験を共有。ゲーム形式でOJT指導員同士がつながり、お互いの悩みを解決するヒントを得る
(左下)業務連絡中心で関係性が希薄になりがちな職場。OJT指導員と新入社員がお互いに話しやすい「聞き方」「話し方」を身に付ける
(右下)OJT指導員と新入社員でペアワークを実施。お互いのありのままの姿や意見を伝え合い、「2人なりのOJT指導の在り方」を見つける
(右上)新人指導の中で生じる課題や成功体験を共有。ゲーム形式でOJT指導員同士がつながり、お互いの悩みを解決するヒントを得る
(左下)業務連絡中心で関係性が希薄になりがちな職場。OJT指導員と新入社員がお互いに話しやすい「聞き方」「話し方」を身に付ける
(右下)OJT指導員と新入社員でペアワークを実施。お互いのありのままの姿や意見を伝え合い、「2人なりのOJT指導の在り方」を見つける
開発?発売までの道のり
- [2022年4月]中原ゼミナール5期生スタート
- [9月]商品開発キックオフ
プロジェクトメンバーが一堂に会したミーティングを開催
- [12月]中間発表会
各班がワークショップ企画の方向性をプレゼンテーション
- [2023年3月]最終発表会
各班のワークショップ企画に対して商品化の合否が決まる
- [6月]トライアル会
企業にプログラムを体験してもらいフィードバックをもらう
- [7月]成果報告会
約1年間にわたるプロジェクトの成果を報告
- [10月]発売開始
プロジェクトで生かされた「リーダーシップ」の学び
左より、藏並結羽さん、川口龍之介さん、相内美咲さん(全員が経営学部3年次)
川口 日頃からリーダーシップ教育※2を受けていたからこそ、時にはぶつかり合いながらも困難なプロジェクトをやり遂げられたと感じます。
藏並 それぞれが自分の強みを言語化し、役割分担をしながらスムーズに協働できたことは、経営学部での学びの成果に他なりません。
相内 私たち3人はリーダーシップ関連科目の運営側を務めていたので、その経験も役立ちました。今回の取り組みで得た知識やノウハウを、学生生活や将来に生かしていきたいと思います。
※2 リーダーシップ教育:チーム全員が互いの強みを引き出しながら目標を達成する、立教大学独自の「リーダーシップ教育」プログラム。経営学部のコアカリキュラム。また、全学部生が履修できる「グローバル?リーダーシップ?プログラム(立教GLP)」を展開している。
藏並 それぞれが自分の強みを言語化し、役割分担をしながらスムーズに協働できたことは、経営学部での学びの成果に他なりません。
相内 私たち3人はリーダーシップ関連科目の運営側を務めていたので、その経験も役立ちました。今回の取り組みで得た知識やノウハウを、学生生活や将来に生かしていきたいと思います。
※2 リーダーシップ教育:チーム全員が互いの強みを引き出しながら目標を達成する、立教大学独自の「リーダーシップ教育」プログラム。経営学部のコアカリキュラム。また、全学部生が履修できる「グローバル?リーダーシップ?プログラム(立教GLP)」を展開している。
※本記事は季刊「立教」267号(2024年2月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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